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『メルサスの少年』 菅 浩江

2001年03月31日

 副題は”「螺旋の街」の物語”。すり鉢上の形をした街「メルルキサス」は遊女だけが住む歓楽の街。子供が産めないはずの<メルサスの女>から生まれた少年イェノムは、15歳になっても子ども扱いされるのが不満な毎日を過ごしていた。
 しかし、平和だった街にも世界支配をもくろむ「トリネキシア商会」の魔の手が伸び始め、そこから逃れた少女カレンシアがメルルキサスにやってきたことから世界が大きく変わろうとする。

 91年に新潮社から出版された作品。翌年の星雲賞(日本SF大会に参加するSFファンによる投票で決まる賞)を受賞したのですが、その頃にはSF界の動向には注意を払っていなかったので知らずじまい。ようやく徳間文庫から再刊され手に入れて読むことが出来ました。良かった!。
 「ナウシカ」「ラピュタ」のタイプの世界。実写では映像化が難しそうだけど、宮崎駿さんがアニメ化したら一番ピッタリかなあ。
 
 『メルサスの少年』
 (徳間書店、デュアル文庫、ISBN4-19-905031-0 本体648円+税)