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『月光ゲーム Yの悲劇'88』 有栖川 有栖

2002年05月27日

 夏休み矢吹山で合宿をしようと出かけてきた英都大学推理小説研究会の4人。現地で他の2大学3グループと一緒になってキャンプを始める。
 キャンプファイヤーやゲーム、さらに食事の用意も共同で始め楽しく時間が過ぎていくが、数百年沈黙していた火山が噴火したことから事態は一変する。帰路は土砂崩れでふさがれさらに一人が書き置きを残して居なくなっていた。やがて殺人事件まで起きてしまう。そこにはダイイングメッセージらしい「y」の文字が。
 
 作者の長編処女作。高校時代の原型から、大学時代の短編、江戸川乱歩賞へ応募した長編(落選)と経て「鮎川哲也と13の謎」という叢書でようやく日の目を見た作品。作者には思い入れがあるんでしょうね。
 月にまつわる話も入っていて良いんですが、ひとつだけ気になったのは「食事を右手でしていたから右利き」の記述。箸や鉛筆を矯正された左利きは多いはず。私も箸は右だけどナイフはうーむ、包丁は右だけど左でも出来そうだし殺人となると力が要るからやっぱ左かなあ。やったことないからわかんないけど(苦笑)。
 『月光ゲーム Yの悲劇'88』
   初版1994年07月15日 発行1997年09月12日
 (東京創元社、文庫、ISBN4-488-41401-X 本体580円+税)