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『天の川綺譚』 川又 千秋

2002年07月02日

 戦争が終わって4年目の夏。15歳の丈太郎は原因不明の発熱と頭痛に悩まされていた。戦時中の労働奉仕や栄養失調が原因だろうとの診断もあったが、はっきりしない。あたると評判の手相見の先生のところへ行くが、生命線が途中で途切れているという。
 もしかすると最後となるかもしれない夏を、母親の故郷の家の土蔵の2階で過ごしていた。ある日、一人の少女の姿を見かけるが・・・。

 紹介した「幻窓の夏」のほかに、6編の幻想小説を収録。
 最近は戦記ものばかり目に付く川又さんですが、こういった幻想的な小説のほうが好きですね。
 『天の川綺譚』 発行1990年08月25日
 (双葉社、新書、ISBN4-575-00328-X 本体718円+税)