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『阿弥陀(パズル)』 山田 正紀

2002年07月03日

 夜11時、残業をようやく終えた今村茂は仕事を手伝ってくれた婚約者の中井芳子と1階のロビーに下りた。その時、忘れ物をしたと言って芳子は15階のオフィスへ一人で引き返していった。しかし、いくら待っても芳子は戻ってこなかった。今村は芳子を探しにオフィスへ戻ってみたが、どこにもいない。心配になって駆け込んだ警備員室の防犯モニターにもエレベーターを上がっていった芳子の姿はあっても、降りた様子は写っていない。いったいどこへ消えてしまったのか。

 語り手は警備員室の中年男。警備員の若手同僚、宅配の若い女性、さらにビルに入っている探偵、けちなビルオーナーまで絡んできて、謎の究明。妙なビルの借り手が話を面白くしてくれます。
 この本はちょっと新しめの97年の作品。同じ幻冬舎の「妖鳥」も手元にあるので、読んでみようと思ってます。
 『阿弥陀(パズル)』 発行1997年12月05日
 (幻冬舎、新書、ISBN4-87728-921-6 本体800円+税)