前の本へ 2000年一覧へ戻る 次の本へ ものぐさ読書日誌(32) 読書暦「22.11.05」 呼び出し元へ戻る直前へ
戻る

『永遠の森 博物館惑星』 菅 浩江

2000年11月05日

 地球の上空数万キロのラグランジュ3ポイントに小惑星を運んできて、博物館とした博物館惑星「アフロディーテ」。全世界の美術工芸品、動植物を集めて、多くの学芸員によって運営されている。
 多くのものを扱うため、コンピュータのデータベースと頭脳で直接アクセス出来る学芸員も多い。そのなかでいろんな部署の調停役をする部署が「アポロン」。権限も強いがそのため便利屋として使われることもしばしば。
 アポロンで働くタシロは身に降りかかる数々の難題で、本来の学芸員としての仕事が出来ない状態。難題を解決しつつ、いろんな美に触れていく。

 って、書いてきましたが、真面目な文章は疲れるのでここでお終い(^_^;)。

 久しぶりのSFらしいSF。女性しかかけない本でしょうね。男の作家ではやはり違うなる気がする。
 今回は京都出身の菅さんの本でした。

 (早川書房、四六版、ISBN4-15-208291-7 本体1900円+税)

【ラグランジュポイント】
(注:専門家ではないので正しくない部分を含んでいる可能性大)
 天体の場合の例ですが、二つの大きな天体が存在し、お互いに重力干渉し回り合っている場合に出来る重力均衡点のこと。直径が地球の4分の1の月は、地球の数十分の1の質量しかないので、実質的に地球の周りを月が回っている感じになります。
 下の図のように重力が安定しやすい場所が5箇所。もちろん月の公転面の平面上になります。ここだと地球や月に対して相対的に静止した状態を保つためのエネルギーが少なくなります。
 地球から止まって見えるというと、通信衛星や気象衛星などの静止衛星が知られていますが、実際には同じ位置を保つには絶えず姿勢制御が必要。そのため数年の寿命になってしまっています。それに比べて遙に安定した場所。
 で大掛かりな宇宙基地を建設する場合には、この場所に建設される事が予想されます。ただ、重力が安定しているということは小さな岩なんかが集まっている可能性はあるようで、太陽と木星で置き換えると、L4やL5の場所には小惑星があるような話を聞いた事がありますが、専門家ではないので事実かはわかりません。
 実際に安定しているのは、L4やL5の場所のようです。

         ☆
         L4


            公転方向
             ↑
 ☆   ◎    ☆  ○  ☆
 L3   地球    L1  月  L2




         ☆
         L5