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『ウロボロスの波動』 林 譲治

2002年11月06日

 22世紀、小さなブラックホールが発見された。太陽に突入する軌道であったが、軌道を改変し天王星を巡る軌道に乗せることに成功する。そして、エネルギーを取り出すための装置として使い始める。
 地球に住み続ける人々と、宇宙で活動する人々の意識の差は相変わらず争いの種となっていた。

 表題作を含む6編の短編からなっているが、全体として作者の宇宙史ともなっている。宇宙物といっても今の地球上の生活をそのまま宇宙に持っていったような作品とは違って、作者固有の視点から書かれているハードSF。お気楽に読める作品も良いけど、こうやって独自の視点を持った作品はSFとして重要だなあと思い直しました。
 『ウロボロスの波動』 林 譲治 発行2002年07月31日
  (早川書房、単行本、ISBN4-15-208430-8 本体1600円+税)