1985年12月 エジプト旅日記(0/17)   

はじめに(旅程全図)

 会社を辞めることなり、気分転換に初めての海外旅行を思い立ちました。それまでは、とても休みを連続で取れる状況になかったので、今がチャンスと思いきりました。
 あちこちの旅行代理店のパンフレットを集め、どこに行こうかと迷いましたが、オーストラリアが気に入りました。「でも、まてよ、オーストラリアにひとりで行っても・・・」ってことで、同額で行けるエジプトに変更です(笑)。
 初めてなので安心して行けるようにと、JTBのLOOKのツアーにしました。12月の23日に出発し、帰国は30日で冬休みをしっかり残すという、会社にとっては暴挙のスケジュールでした。パスポートを取って、スーツケースをレンタルし、コンパクトカメラも買い、その他もろもろの装備をそろえるのにずいぶん時間がかかったと思います。

 当時では当然のこと成田出発なので、新幹線で東京に行き、リムジンバスで成田まで。当時は警戒も厳しく、空港直前で機動隊の人たちの厳重なチェックを受けました。一旦バスを降りて、荷物のチェックを受け、またバスに戻るという面倒なことをさせられました。過激派の活動が警戒されていた時代です。
 出発時間が少し遅れましたが、エジプト航空のボーイング767型機は夕闇せまる成田を飛び立って、一路エジプトへ向かいました。やがて、台湾近くを通る時に、エアポケットで大きく下降するというスリルが待っていました。10秒近くもすーーっと落ちつづけるのは、もう経験したくありません(笑)。
 本来はフィリピンのマニラに一旦着陸する予定でしたが、乗降客がいないのと、遅れを取り戻すためにパスしてそのまま次の経由地バンコクへ。給油のため一旦機外に出て、空港ターミナル内とはいえ、初めて外国の香りを味わったのでした。1時間ほどのちバンコクを飛び立ち、目的地のエジプトの首都カイロへ向けて、暗い夜空を飛びつづけました。

 出発から20時間、4度の機内食でフォアグラ状態になりながら、ようやく到着です。