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『猶予の月』 神林 長平

2002年01月02日

 月の地下ではカミス人と呼ばれる人々が暮らしていた。リンボス(地球)人は単なる観察対象。額の真中に第三眼を持つ彼らは独自の力を持ち、リンボス人には存在自体も知られていなかった。
 弟を愛してしまった理論士のイシスは、弟のアシリスを伴いリンボス世界で仮想の愛を成就しようと中枢制御体にプログラミングを打ち込む。しかし、同時に元理論士で犯罪者のバールがこっそり自分のプログラミングを入れていた。双方のプログラムが重なってリンボス世界上に飛ばされてしまう。
 他に3人のカミス人を巻き込み、時間の無くなったリンボス世界を舞台に戦いが始まる。

 最初に途中まで読んだのは16年以上前。当時買っていたSFマガジンの連載上。たぶん第一章が終わったところで連載が中断、その後SFマガジンを買わなくなった後で連載が再開されたらしい。その後で書店で見かけて買ったのはもう10年近くも前。500ページのハードカバーで読みやすくは無い文章。二の足を踏んで仕舞いこまれてました。去年本の整理をした時に先に読む本として出してきてようやく年末から読み始め、1週間かかって読み終わりました。
 誰でも読みやすい本ではないけれど、神林さんらしい本。
 『猶予(いざよい)の月』発行1992年05月31日
 (講談社、新書、ISBN4-15-203516-01 本体2524円+税)
  (価格は発行当時で消費税3%、現在は文庫のみ?)