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『Y』 佐藤 正午

2002年06月19日

 1990年9月6日土曜日。渋谷から乗った電車は下北沢駅に着いた。2ヶ月ぶりに見かけた女性を誘った青年は友人に声をかけられホームの方へ、女性は車内から声をかけられ再び電車の中へ。扉が閉まり二人の運命は分かれていく。そして、発車していった電車は次の駅には着くことは無かった。
 それから18年。かつて青年だった男は奇妙な現象に出会う。わずかな時間だが、過去に戻っているとしか考えられない。数秒だったり、数分だったり。そして、運命の日からちょうど18年後の同じ日、男は自分の人生を掛けて自分の行動を後悔した時間へ戻ろうとするが・・・。

 これはつい最近買った本。買おうと思っていたわけではないので、これもまとめ買いの一冊でしたが、思ってもいなかった収穫でした。こういう話は大好きです。ひとつ不満なのは終わり方。こういうのがちょうどいいのはわかるんだけれど、彼の物語の続きを知りたい。
 こういう作品ばかりじゃなさそうだけれど、同じ作者の別の作品を読みたくなりました。
 『Y』 初版2001年05月18日 発行2002年05月18日
 (角川春樹事務所、文庫、ISBN4-89456-858-6 本体648円+税)